コインの種類、歴史、価値、面白さのまとめサイト「アンティークコインTV」

アンティークコイン 投資 税務 について

その他

原田 良介

原田 良介

こんにちは、原田です。

初めての記事になりますが皆様よろしくお願いします。

今回はコイン税務について、
アンティークコイン購入時、売却時に発生する税金について解説させて頂きます。

すでに購入されたお客様、これから購入をご検討中のお客様が一番気になられている事、
もしくは心配される事が「アンティークコインに掛かる税金」だと思います。

私の周りでよく聞くお客様の声として、
「うちは税理士にお任せしているから大丈夫!」
と安心されていらっしゃる方、本当に大丈夫でしょうか?

先日とある税務署に電話して、実物資産の申告について質問してみましたところ確定申告前と言う事もあって税理士が対応してくれました。
対応して頂いた税理士は
「専門外ですので少々お待ちください」
と待たされる事、10分少々…。

回答はなんと「専門の税理士を紹介致しますのでその税理士からお調べして折り返し対応させて頂きます。」との事でした。

もうお気付きの通り税理士が何でも知っていて万能な訳ではなく、
税理士でもそれぞれ「専門分野がある」からなのです。

税理士業界も。
「企業専門」
「個人事業主専門」
「相続専門」
「記帳専門」
「投資専門」

などと、各専門のエキスパートで成り立ち、お互いが専門分野のプロに依頼したり、情報を共有したりしているのが現状です。

既にアンティークコインを購入されているお客様、これから購入されるお客様、手持ちのアンティークコインを次のオークション等で出品をお考えのお客様も知らなければ絶対に後悔するアンティークコインに発生する税についてお話し致します。

まずは、「購入時に発生する税金」についてです。

アンティークコインは、「実物資産」ですので購入時に関しては、税金を支払う必要は全く御座いません。では、アンティークコインを売却した時はどのようになるかを説明致します。

アンティークコインの「実物資産」を売却した際は、基本「譲渡所得」として仕訳されていきますが、その取引の状況に応じて①「譲渡所得」②「雑所得」、もしくは③「事業所得」のいずれかとして扱われます。

① ②は給与所得や事業所得などの所得と合わせて総合課税の対象となります。
③については、一般の事業所得の計算方法が適用され分離課税の対象となります。

では、仕訳ケースを見ていきましょう。

①「譲渡所得」と扱われる場合・・一般サラリーマンの方・コインの単発取引(営利目的とみなされない場合)
②「雑所得」と扱われる場合・・「事業として」は行なっていないが、「営利を目的に継続的に」行なっている場合
③「事業所得」と扱われる場合・・「営利を目的として」コインの購入と販売を生業として生活している方
※毎月の購入金額や売却金額を勘案し、積立て売却した場合は、「譲渡所得」としてみなされます。
株式や社債を売却して得た譲渡益は、分離課税で計算され税率は20.315%(~2016年1月現在)で課税されます。

一般的な売買取引を見てみましょう。

アンティークコイン売却時の総合課税の「譲渡所得」は、取得したときから売ったときまでの所有期間によって長期と短期の二つに分かれます。
①「長期譲渡所得」・・・所有期間が5年を超えている場合
②「短期譲渡所得」・・・所有期間が5年以内の場合

総合課税の譲渡所得の金額は次のように計算します。
短期譲渡所得の金額は全額が総合課税の対象になりますが、長期譲渡所得の金額はその2分の1が総合課税の対象になります。

①譲渡価額 - (取得費(※注1) + 譲渡費用(※注2))-50万円(※注3)×1/2=譲渡所得の金額
②譲渡価額 - (取得費(※注1) + 譲渡費用(※注2))-50万円(※注3)=譲渡所得の金額

【例】
100万円でコインを購入し、200万円で売却した。購入する際には諸費用は掛からなかったが、売却時に売却手数料等の費用が20万円掛かった。
①所有期間が5年以上の場合
200万円-(100万円+20万円)-50万円(特別控除額)×1/2=15万円(総合課税対象)
②所有期間が5年以内の場合
200万円-(100万円+20万円)-50万円(特別控除額)=30万円(総合課税対象)

【※注の説明】
(※注1)取得費とは、一般に購入代金のことです。このほか、購入手数料や設備費、改良費なども含まれます。
ただし、使用したり、期間が経過することによって減価する資産にあっては、減価償却費相当額を控除した金額となります。
2. 2 譲渡費用とは、売るために直接かかった費用のことです。
3. 3 譲渡所得の特別控除の額は、その年の長期の譲渡益と短期の譲渡益の合計額に対して50万円です。その年に短期と長期の譲渡益があるときは、先に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます

③「事業所得」・・・総収入金額-必要経費=事業所得の金額

では、アンティークコインを購入したり、売却を行った時は、国や地方に対して書面で通達しなくてはならないのでしょうか?
次に「支払調書制度」について説明致します。

今現在の国税庁の通達、税法ではアンティークコインには金と違い支払調書制度はありません。
売却時の譲渡所得の申告はあくまでも自己申告となって居ります。

かと言って高額なコインの商取引を行う場合は、譲渡所得額も高額になっていると思われますので、申告を必ず行って下さい。

申告の際も、通常金額(数字)だけの申告ですと通常の税金が課税されますので、ちゃんと節税出来る部分はちゃんと計上していき、税金に向き合って行くことも投資には重要で大切で大事な事なのです。

では、アンティークコインを「奥様」「子供さん」や「お孫さん」などに継承したい、
今後末代までの家宝にしたいという方々もいらっしゃるでしょう。

次に「アンティークコインを相続した、する時の税金」について説明していきましょう。

アンティークコインは貨幣の額面ではなく、時価(※1)により相続税が課税されます。
(※1)時価は、買取業者・査定機関による評価額(売買実例価額・精通者意見価格などから評価額を算出)となります。

これはアンティークコインは、同じ通貨であっても保存状態により価格が異なるためです。
やはり、「相続税=亡くなられた時」が課税対象ですので、それも踏まえた上で譲渡していかねなりません。

では、相続、贈与のタイミングはいかがなものでしょう。

アンティークコインは、人気によって相場が上がったり下がったりします。

古くから所有しているコインの資産価値が知らぬ間に上がっている可能性があります。

よって「古銭の生前贈与による相続税対策」をお勧め致します。

高額な遺産を相続される方で、相続税対策にアンティークコイン贈与をご検討中の方には、なるべく生前贈与を視野に入れてお考えいただきたいと思います。

相続税は、お亡くなりになった時の時価に対して課税されますが、贈与税は贈与する時の時価に対して課税されます。
贈与の特徴は、時価が安いタイミング、今後根が利するだろうけれども今はまだ安いというコインを安いうちに贈与し、安い金額で納税できることです。

値上がりが見込まれるコイン資産は値段が上がる前に贈与をする事で相続税、贈与税の軽減につながります。

贈与税は確かに相続税よりも税率が高いのですが、まだ実現していないキャピタルゲインを親族に移転することができます。

「死亡時の相続」もしくは「生前贈与」に関しては下記の表から算出していくとよいでしょう。

【相続税の速算表】(平成27年1月1日以後の場合)
法定相続分に応ずる取得金額
1,000万円以下  税率10%   控除  -
3,000万円以下   15% 50万円
5,000万円以下   20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超      55% 7,200万円

【一般贈与財産用】
(※兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合)
基礎控除後の課税価格
200万円以下  10% ‐
300万円以下  15% 10万円
400万円以下  20% 25万円
600万円以下  30% 65万円
1,000万円以下  40% 125万円
1,500万円以下  45% 175万円
3,000万円以下  50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

【特例贈与財産用】特例税率
(※兄弟間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合)
基礎控除後の課税価格
200万円以下  10% ‐
400万円以下  15% 10万円
600万円以下  20% 30万円
1,000万円以下  30% 90万円
1,500万円以下  40% 190万円
3,000万円以下  45% 265万円
4,500万円以下  50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

必ず知っていて頂きたい事は「古銭(アンティークコイン)には贈与登記がいらない」という事です。

現在の税法では、不動産を贈与する場合には、仲介不動産業者や司法書士が仲介に入り、「登記」を必要とし、贈与した事実が公然のものとする事を定められ、
上場株式の贈与も「名義の書き換え」を証券会社で行う必要がありますが、古銭(アンティークコイン)の贈与には登記が不要です。

よって税務署側に贈与の事実を認識してもらう為にも、基礎控除の枠を超える贈与をして、贈与税の申告書を提出し、少しでも納税を行う必要があります。

全くお勧めしていないのですが、もし徹底的に戦うのなら、無申告で贈与し、時効を待つ方法もあります。このようなケースにつきましては、自己判断で行って下さい。

また如何なる「贈与」「相続」に対しても、「贈与契約書」を文面にて作成し、贈与、相続確定日付をつけ、必ず保管しておいて下さい。

専門家からの目線でアドバイスさせて頂くとすれば、「相続」を行う場合、少なからず「相続問題」に発展する為、弁護士、司法書士に相談し依頼して「相続相関図」と共に「生前の遺書」「生前贈与契約書」を作成しておくと税務署対策にもなります。

アンティークコインによる贈与を行う場合のちょっとしたアドバイスです。
アンティークコインは「少額から贈与が出来る」と言うメリットがあります。

不動産を贈与しようと考えた場合、土地、家屋の評価額が贈与税の基礎控除110万円は確実に超えてしまう為、贈与税の申告義務はほぼ絶対に発生してしまいます。

アンティークコイン古銭であれば数十万円台前半から存在するので、小分けにして連年贈与することが可能であります。

毎年110万円以内のアンティークコインを10年間に渡って贈与し続けた場合、アンティークコインの数は「10枚」、贈与金額は「1100万円」を贈与出来ており、一度に時価「1100万円」贈与にかかる贈与税も回避できます。

また、当時の時価「110万円」のアンティークコインが10年後のキャピタルゲインを考えて幾ら後世に相続出来ているか?
を考えると一目瞭然だと思います。

これこそ、時の流れに伴って「価値」が上昇する「究極の現物資産」と思います。

ただ、私の個人的な見解ですが、金、地金が税法改正により、「支払調書制度」が出来た様に、アンティークコインブームは嬉しい限りでは有りますが、日本人が今後アンティークコインに対して興味を持ち、投資目的でアンティークコインを保有、もしくは切手のコレクターの様にアンティークコインをコレクションされる方々が増加しればするほど、税法も何かしら改正せざる得ない日も来ることでしょう。

今アンティークコインを保有されていらっしゃる方、これから購入される方、
これから売却をされる方は、非常に良いタイミングで「アンティークコイン」に出会うことが出来たと私は思います。

また次回は色々な事案や案件を検証し、わかりやすくご紹介していければと思います。

Pocket

The following two tabs change content below.
原田 良介

原田 良介

税理士事務所にて税理業務・書士業務を行うとともに、 全国の個人・企業にとっての最適な選択をサポートする “税務セレクター”として活躍。 経済学、経営学、心理学、言語学、認知学を 取り入れたコンサルティング手法により、顧問先を指導。
LINEで情報配信中